11/9 「エミーとゼニーの金融論 in 新虎小屋#5」を開催

末吉です。虎ノ門では✋さんと呼ばれてます。

新虎小屋(東京・虎ノ門)にて、ファシリテーターの江上 広行さんとともにはじめた、幸せとおカネにまつわる対話会「エミーとゼニーの金融論」(毎月第2金曜日夜)。はやくも第5回となる今回は、ゲストに西浅草・緑泉寺の住職、「暗闇ごはん」や料理僧として知られる、青江覚峰 さんをお迎えしました。参加されたみなさま、たいへんありがとうございました!

映像アーカイブ:
https://www.youtube.com/watch?v=_hN2k7TSpFY

青江さんは、「暗闇ごはん」のプチプチ体験(1品)を用意準備してくれました。「暗闇ごはん」は、目隠しをして視覚を遮断した状態で食事をとることで、味覚を刺激し、視点をかえる(目隠しをしているのに視点を変える!)問いとともに、脳を、五感をフル回転させる、とてもユニークなワークショップです。青江さんのトークやワークショップが初参加の方々も半数以上いて、みなさんにぜひとも「暗闇ごはん」のとっかかりだけでも体験してもらいたかったので、うれしい限り。

「暗闇ごはん」は、企業研修などでも取り入れられています。そう、青江さんは、僧侶として、そして、さまざまな研修を提供する会社「中道」の経営者としても活動されています。おカネとどう向き合っているのか、まさにエミー&ゼニーを実生活でどうとらえているのか、とても関心のあるところです。

対話では、青江さんの仏門に入られる経緯や、仏教におけるおカネの価値観、施し(布瀬行)に関してなど、仏教(しかもインド、中国、日本に伝わるなかでの変遷なども踏まえ)に照らし合わせて語られ、仏教とは「(答えがあるわけではなく)問いの連続です」(キリッ。青江さんのお話しはいつ聞いてもおもしろい。参加者からも、マインドフルネスしてますか? いや私の場合は、ついいろいろ考えちゃうので、寝ることにしてます。1日に2-3回、昼寝してます!(会場からは昼寝取り入れている人が、お1方いましたね。私も賛成。)とか、お寺の経営、ビジネスモデルなどのフランクなやりとりも。

青江さんがゲストということで、私は、以前ご一緒した「お寺で脱出ゲーム」イベントで「無財の七施」をテーマにしたことがあり、今回、それを幸福学の「幸せの4因子」と照らし合わせて質問してみました。

「無財の七施」は、感謝、愛情、親切、喜びに関する内容が主で、まさに、幸せの4因子の第2因子なのかなと思っています。そして、これが、財や智慧、技を持たないものができる、誰でもできる「施し」(=青江さんの言葉では、見返りを求めないサービス。サービス”業”ではない。)として、仏教2000年来伝わっているわけですから、幸せのメカニズム、幸福度向上アクションとしても、まず第2因子からはじめるのが常套なのかなと思っていますが、これいかに!?

青江さんいわく、無財の七施の中でも、個人的にですが、「和顔施(わがんせ)」、人と接するときに笑顔になること、これが基本で、七施の中でも大事かなと思っているとのこと。まさに、笑顔のインタラクションがポジティブ心理を伝搬させていきますものね!(愛想笑いとか営業スマイルとか、笑顔にもいろいろありますがw)あと、さすが料理僧、「うまみ」についても研究されており、幸福学に照らし合わせて、地位財型のうまみと、非地位財型のうまみなどにもあてはまるのではないかなど言及されてましたね。

—「お寺で脱出ゲーム」イベントで利用したガイドより:

■ 無財の七施:
(1)眼施(げんせ)
優しい視線で人と接する。それだけで、もう「施し」です。

(2)和顔施(わがんせ)
あなたの和やかな顔は、施しです。

(3)言辞施(ごんじせ)
相手のことを思った言葉を使う。大切な施しです。

(4)身施(しんせ)
施すことは、自分の体を、わずかな時間だけでも差し出すこと。

(5)心施(しんせ)
「相手の心になって」とか「真心」を込めてとか、心は大事な施しです。

(6)床座施(しょうざせ)
座る場所、席を譲るというのは、今も昔も、施しです。

(7)房舎施(ぼうじゃせ)
傘の無い人に雨宿りの場所を。疲れた人に休む場を。場所の施し。


■ 幸福学「幸せの4因子」

幸せの4因子、幸福の4因子モデルとは、慶應SDM 前野隆司教授らが主観的幸福度を因子分析した結果特定した4因子です。

第1因子:自己実現と成長
目標を達成したり、目指すべき目標を持ち学習・成長していること

第2因子:つながりと感謝
多様な他者とのつながりを持ち、他人に感謝する傾向、他人に親切にする傾向が強いこと

第3因子:まえむきと楽観
ポジティブ・前向きに物事を捉え細かいことを気にしない傾向が強いこと

第4因子:独立とマイペース
自分の考えが明確で人の目を気にしない傾向が強いこと

から構成されます。

今回も運営スタッフ協力してくれた、半田 志野 (Shino Handa)さん、たいへんありがとうございました!

次回12/14(金)は、エミーとゼニーの金融論シーズン1の最終回!

『はじめよう、お金の地産地消――地域の課題を「お金と人のエコシステム」で解決する』著者の木村真樹さんだよ!


木村 真樹さん
社会貢献教育ファシリテーター

1977年愛知県名古屋市生まれ。静岡大学卒業後、中京銀行勤務を経て、A SEED JAPAN事務局長やap bank運営事務局スタッフなどを歴任。地域の課題解決に地域の”志金”を生かす「お金の地産地消」を推進したいと、2005年にNPOバンク「コミュニティ・ユース・バンクmomo」、2013年に「あいちコミュニティ財団」を設立。NPOやソーシャルビジネスへの資金支援と、ボランティアとの伴走支援に取り組んできた。 著書に『はじめよう、お金の地産地消――地域の課題を「お金と人のエコシステム」で解決する』がある。

最後に、本イベントは、慶應SDM 保井俊之先生、前野隆司先生、クウジットとの「人を幸せにするおカネを創る」共同研究の一環で開催されており、現在も学術的研究が続いています。

参加者の方々には、幸せとおカネに関する主観調査( http://bit.ly/2C8pJCF )のご協力、まことにありがとうございます!これまでに550名もの方々にご協力いただくことができました。まことに感謝いたします。

ここにこれまでの簡易集計結果をシェアいたします。
http://bit.ly/2p50J5W

今後、大規模データ解析により幸せとおカネにまつわる構造分析につなげていければと考えており、その研究成果は社会に共有知として還元いたします。データは多ければ多いほどうれしく、引き続きのご協力どうぞよろしくお願いします。

エミー&ゼニー!
働き甲斐も経済成長も!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする