【Koozyt AIプラットフォーム応用例】電話窓口の業務を効率化する “KEIコンタクトセンター”

Agentic AIがもたらす未来

経営者のみなさま、業務においてAIを活用されてますか?

大規模言語モデル(LLM)を活用した対話システムや生成AIなどの技術が急成長する中、社内の業務においてもChatGPTなどを利用するケースが増えているかと思います。今後、AI技術はさらに進化して会社経営のあり方にも大きな影響を及ぼすことが予想されます。
ChatGPTを開発したOpenAIによると、人間の言語を理解して文脈にあったアウトプットを返してくれる現状の対話型AI(Chatbots)は、さらに人間同様の高度な推論を行えるようになり、目標達成に向けて自らアクションを実行できる「自律型AI」に発展するとされています。
この自律型AIこそがAgentic AI(=エージェント型AIシステム)と言われる未来型AIです。


クウジットでは、来るべきAgentic AIの時代に先回りして、様々な業務シーンに応用できる Koozyt AIプラットフォーム「慧(KEI)」を開発しています。今回はその慧(KEI)の技術概要と、その仕組みを応用した「KEIコンタクトセンター」をご紹介します。

Koozyt AIプラットフォーム「慧(KEI)」って何?

企業経営においては様々な課題に直面します。課題を解決するためには社内に存在する様々なデータを解析することで業務フローを効率化し、スマートな意思決定を行える仕組みづくりが必要です。慧(KEI)は柔軟性と適応性に優れた下記の4つの要素から構成されており、それら構成要素を企業のニーズに応じてカスタマイズすることでその仕組みを提供いたします。

  1. インポーター(Importer)
    さまざまなデータ形式(音声、テキスト、PDF、Excelなど)を効率よく取り込むことができます。例えば、会議のリアルタイム録音データや既存の文書を一元管理し、分析に活用することが可能です。
  2. プロセッシング(Processing)
    取り込んだデータを目的に応じて処理します。データのマスキング、構造化、要約、感情分析、クラスタリングなど、多様な処理機能を組み合わせることで、企業独自のニーズに応えるデータ活用が可能です。
  3. 対話UI(Chatbot User Interface)
    処理済みのデータは、チャットボットの知識ベースに統合され、インタラクティブな情報提供を実現します。これにより、顧客や従業員の問い合わせ対応が迅速化し、業務効率が向上します。
  4. エクスポーター(Exporter)
    PDF、Excel、CSV、Markdownなど、さまざまな形式でデータを出力できます。既存のシステムに合わせたカスタムフォーマットにも対応可能で、シームレスな統合を実現します。


企業によって環境や条件はさまざま。慧(KEI)の4要素はそれぞれが独立して機能するため、必要な要素のみを組み合わせて最大の効果を得られるようカスタマイズが可能なプラットフォームとなっています。

KEIコンタクトセンターで電話の自動応答を実現

慧(KEI)の4要素のうち、インポーター部分を「電話」に特化したシステム「KEIコンタクトセンター」を紹介します。
このシステムでは、電話での問い合わせをリアルタイムに録音して自動的にテキスト化(文字起こし)を行います。テキスト化された問い合わせ内容は、カテゴリー別に分類されて統計情報として可視化されます。


その統計情報を分析すると、頻出する問い合わせや特定の課題を簡単に把握できるため、製品やサービスの改善ポイント等を明確にすることが可能となります。
これまでオペレーターが応対した問い合わせを手動で分類・管理していたところを、このシステムにより人的リソースを削減しながら正確かつ迅速な対応が実現できる形となります。
また、システムに蓄積された問い合わせ履歴をもとに、問い合わせに対する回答テンプレート(Q&Aデータ)を生成したり、チャットボットなど他のAIソリューションと連携することで問い合わせ応対を自動化できるなど、顧客対応のスピードと品質を更に高めます。

どういう技術で実現できているの?

KEIコンタクトセンターでは、

  • 問い合わせ内容から生成AIにより概要を抽出し、それらを分類する技術
  • 問い合わせ内容を効率的に類似文検索し、頻出する問い合わせ(FAQ)を抽出する技術
  • 高速な検索を実現するクウジット独自の高速検索エンジン技術
  • 回答テンプレート(Q&Aデータ)を生成する独自のアルゴリズム
  • 因果分析の結果を元に、問い合わせ内容を深掘りするミクロ視点の自然言語解析

など独自の技術群の組み合わせで実現しています。
個々の技術の詳細については今後、別のトピックで採り上げていく予定です。

期待されるメリットは?

この「KEIコンタクトセンター」を電話オペレーター業務に導入することで、下記のようなメリットが期待できます。

  1. オペレーターの負担を軽減
    定型的な問い合わせ対応を自動化し、担当者が専門業務に集中できる環境を提供します。
  2. 業務コストの削減
    人件費や対応時間を削減しながら、問い合わせ対応の精度を向上させます。
  3. 顧客満足度の向上
    迅速かつ正確な対応により、信頼性を高め、待ち時間を削減します​。
  4. ハラスメント防止
    問い合わせ内容を自動判定し、従業員の安全を確保します。

特に最後のハラスメント防止は重要なポイントかと思われます。昨今、顧客による著しい迷惑行為「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が社会問題になっています。これらの迷惑行為から電話オペレーターなど労働者を守るために厚生労働省はカスハラの内容を定義した上で企業に対応を義務付ける方針案を示し審議会で議論されています。そういった情勢から、企業にとってもカスハラ対策が喫緊の課題となりつつあります。


効率的なカスタマー対策でリスク(労働者の心理的被害、職場環境の悪化、労働者の人材流出、損害賠償など)を軽減させることは、現代では重要な経営課題です。「KEIコンタクトセンター」はこの課題を解決する一助となります。
ご興味のある方はぜひお問い合わせください! → お問い合わせフォーム

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする