第6回ニコニコ学会βシンポジウムを応援してきた。

末吉です。Koozytは、「ニコニコ学会β」のコンセプトに共感、その未来に期待し、第1回シンポジウムから応援しています。4月26-27日、第6回ニコニコ学会βシンポジウムが、ニコニコ超会議3@幕張メッセにて、開催されました。

江渡さんと湯村さんと私

オープニングにて、江渡さんが、アミッドスクリーンからポリッドスクリーンの流れを話されてましたが、そうですよね。そうなんです。誰から言われるわけでもなく、作りたいものを作って、自分がしたい研究をして公開する。他とのちょっとした違い、ちょっとしたこだわりが、世界を変えていくのですよね。江渡さんは、ニコニコ動画の世界の先に、未来、可能性を感じたというわけですね。

ニコ生タイムシフトはこちら:
第6回ニコニコ学会βシンポジウム ~魔術師たちの楽園~@ニコニコ超会議3[DAY1]
第6回ニコニコ学会βシンポジウム ~魔術師たちの楽園~@ニコニコ超会議3[DAY2]

さて、今回も、ニコニコ学会おなじみの「研究100連発」と「研究してみたマッドネス」セッション、そして、東京オリンピックに向けて、今後のKoozytお仕事的にも増えてくるであろうスポーツxテクノロジーの領域に関連するセッションを中心に、Koozyt宮島氏とともに、楽しみに体験&聴講してきました。

■ 4th session『研究100連発すごい!

セッション座長の慶應大学の稲見先生とユカイ工学の青木さん

今回のテーマが、「人と機械とをつなぐ」研究100連発。どの先生方の講演もたいへんすばらしかったのですが、どの先生がたも、当初、2足歩行や人型ロボット、機械そのものをつくろうと、その構造や実現方法など、興味の赴くままに研究されていたのが、研究を深めていくにつれ、「人間とは?」の問いに行きついて、いまや研究対象となる機械を通して、人そのものを知りたい。という探求レベルに突き抜けているように感じました。「人間とアンドロイドとの違いとは?」「人は何をもって人らしく感じるのか?」「主体と思っている自分とは、実は、他人の脳の記憶の中にある客体である」とか。第一線で活躍するこの領域の先生方は、まさにこの先、人類が進化し、直面する未来社会において、必要となるであろう哲学領域の開拓も担っているのだと思いました。

うーむ、ニコ生タイムシフトで、もう1回見直してみたいと思います。オススメです。

#そうそう、ユカイ工学さんとは、サンリオピューロランドの新アトラクション案件でご一緒したりしていたのですが、青木さんとは実は初対面。今度、直接意見交換させていただくことになりました。これも楽しみ。

■ 6th session 『超人オリンピック2020』おもしろい!

慶應メディアデザイン(KMD)の稲見先生らが提唱する「超人オリンピック(Superhuman Olympic)」とは、ここに、スポーツとテクノロジーを融合させることで人間の限界を超えるとともに、オリンピックとパラリンピックの境界をなくすことを可能とするものとあります。

超人オリンピック2020に向けて

今回、ニコニコ学会βの会場で、先日 KMDで開催された「超人オリンピック」テーマの展示のいくつかが実際に体験できるということで、早速体験。

電通有志の皆さんによる「スポーツ 超LIIVE テクノロジー」展示

Unity仮面さんらによる「超会議を超ジャンプ!」

そうそう、ジャンプから着地するとき、身構えたり、勝手に着地姿勢になりますよね。なぜか振動まで勝手に感じてしまう。(今回「研究してみたマッドネス」セッションでも「日吉で跳んでみた(高度100mぐらい)」として登壇されています。)

(参考記事)
技術でスポーツを拡張する「サイボーグオリンピック」の可能性(PC Watch)
超会議で超ジャンプ。Oculus RiftでCCさくら気分に(GIZMODO)

■ 7th session 研究してみたマッドネス』あつい!そして、クウジット賞(非公式)のゆくえは?

セッション座長は、湯村さん落合さん。2人ともネット上で、その活躍を拝見しております。

今回15本の熱い発表が繰り広げられました。Unity仮面さんのHiyoshi Jumpは、体験させていただいただけあって、一度体験すればその体感効果は、抜群なことは折り紙つきなのですが、はてさて、プレゼンのみのニコ生視聴者が選ぶ投票にて、どこまで健闘するだろうか?と思っておりましたが、いやはや見事「大賞」に選ばれました。おめでとうございます!

ところで、クウジットでは、昨年度まではニコニコ学会βスポンサーをしておりましたが、今年度は、スポンサーは1回お休みさせてもらうものの、第1回シンポジウムより気に入った作品/作者にKoozyt賞を贈ってきたこともあり、今回も自主的に勝手に、Koozyt賞(非公式)を贈って、ニコニコ学会βを継続的に応援しようと考えています。

Koozyt賞目録をつくってみた。

今回、Koozyt審査員(宮島と末吉の2名)は、Koozyt賞として、『新しいライブ映像再生システムを研究してみた』(hiromu1996さん)に贈呈しました。発表されていたシステムそのものは、Oculus RiftとWiiリモコンで、実際にWiiリモコンを振ったり、ジャンプしたりすると、VR空間上のサイリウムや渋谷公会堂のバーチャル空間(ライブ映像)に連動、没入して楽しめるというものでした。遠隔ライブを楽しみたいという欲求に対して、単に自分の部屋でライブ映像をテレビで見るだけだとノレない。そこには、横目に参考書があり、頭の片隅には宿題があり、モニターに反射で映る自分の姿があり…課題解決のためには、「隔絶感」というものが重要なのだ。と。今回、Koozyt賞選定の理由は、まさにその「隔絶感」という問題設定を自ら見出し設定し、実際に技術を持ってその課題解決に向けてチャレンジしている、そして何より楽しんでいることが伝わってきたからです。体験のデザインを扱う上で、クウジット審査員の宮島と私ともに共感するところも多く、一致の結果でした。


@hiromu1996さんと末吉


(左から)Koozyt宮島、@hiromu1996さん、湯村さん、末吉

おめでとうございます!hiromu1996さんは、関西在住とのことで、私たちが用意した体験賞品(Koozyt一日CTO体験、ピューロランドで新アトラクション体験。なぜピューロランドはこちら。)は、すぐには実現できないかもしれませんが、今後機会を見つけてなんらか検討していければと思います。(後日、ニコ生コメントや、hiromu1996さんのHPなどでその活動を知りましたが、なるほど、次世代を担う若者の代表、発表もすばらしい理由ですね。一日CTO体験どころか、いつの日か一日超CTO招聘イベントとか実現できるとよいですねw)

■ 8th session『作ってみた。未来のスポーツ、スポーツの未来』おもしろい!

セッション座長は、犬飼博士さん(エウレカコンピューターゲームプロデューサー)。登壇者は、アスリートの為末大さん、ルネッサンス会長 斎藤敏一さん、YCAM 大脇理智さん(ちょんまげメディアアーティスト)、 Team Twinkrunの皆さん(明治大学)という多才な顔ぶれ。今回、このセッションを楽しみに聞きにきたのです。

為末さんの語録をメモめも。

– 牛の膀胱を取り出せるようになって、(野球やラグビーなど)ボールが作られ、それらの球技が生まれた。
– コンピュータが生まれたことによって可能となったスポーツはまだない。
– 日本からオリンピックに持ち込んだスポーツも柔道しかない。
– コンピュータが可能とする新しい日本初のスポーツを生み出そう。
サイバスロンの話。たとえば、走り幅跳びなど、パラリンピアがオリンピア(日本記録)を抜かす時代はすぐそこ。そうなると、身体とは?人間とは?という命題にぶちあたる。
– オリンピック、パラリンピック、第3のサイボーグオリンピックの3本立てになっていくであろう。
– 健康のために食べるものはおいしくない。健康のためにスポーツするのではない。「遊び」が重要。体を動かすことそのものが楽しいという目的とならないといけない。

斎藤さん語録をメモめも。

– 病気の予防と介護の予防
– 認知症を予防するスポーツ
– 楽しく動くことで老化、ぼけ防止。これもスポーツ
– 失敗することもシナプスにはよい。失敗するほど身体に良い。

(参考URL)
YCAM InterLab Reactor for Awareness in Motion (RAM)

また、座長の犬飼さんは、ニコニコ学会にて、新たに運動会部を立ち上げようとされています。ぜひ、興味ある方は、参加して盛り上げていきましょう!

ユーザー参加型の研究、既存領域の垣根を越えて、誰もが研究に携われる時代。ニコニコ学会βシンポジウムも、第6回を終了し、5年という有限期間を宣言している活動として、これからの後半戦、さらにどのように発展、進化していくか楽しみです。Koozyt的にも、個人的にも、微力ながら、みんなの「研究してみた」を応援していきたいと思います。

最後に、運営の皆さま、たいへんおつかれさまでした。そして、いつものことながら、知的好奇心を刺激する盛りだくさんのイベントを体験できて、たいへん感謝しております。ありがとうございました。

(by Taka Sueyoshi)