G空間EXPO2014のヒートマップとBeaconシンポジウムについて

こんにちは、塩野崎です。

先週、科学未来館で行われていたG空間EXPO2014で展示・シンポジウムでの講演をさせて頂きました。
既に出ている現地レポートに続き、詳細について語りたいと思います。

思い返してみれば、G空間EXPOは地理空間情報フォーラムと呼ばれていた時代から参加させて頂きました。その後 2010年にはG空間プロジェクト展示、昨年は公式アプリとヒートマップも提供させて頂きました。

まずは、「ライブ・ヒートマップ」について少し解説をします。

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「ライブ・ヒートマップ」アプリはG空間EXPO2013で始めて展示しました。会場内のWi-Fi電波(probe信号)を発信している端末の位置情報を管理し、会場のマップをグリッドに分割し、そのグリッド内に端末が何台観測できたかを色で表現し、ヒートマップを描画しております。いろいろ設定もできますが、過去数分間において観測された端末数を集計し、5秒毎に更新されます。よってヒートマップは会場内の賑わい度合い、混雑度の指標になります。

端末の位置は会場内に設置された CISCOさんの MSEによって求められております。「ライブ・ヒートマップ」とCISCO MSE との関係を下記図に示します。

ライブ・ヒートマップとCISCO MSE

会場に設置されたCISCOさんのアクセスポイント(会場には約20台ぐらい設置)は周辺の端末のWi-Fi信号を検知し、Wi-Fi controller を経て、MSE内で3点測位し、端末の位置を求めます。この位置情報はバックエンドで連携している Koozyt Location Server とやりとりし、DB化されます。Koozyt Location Server  は「ライブ・ヒートマップ」を描画するための web API を提供し、「ライブ・ヒートマップ」アプリはこのAPIをパラメータをいろいろ指定して呼び出し、ヒートマップを描画します。ちなみに、会場での「ライブ・ヒートマップ」は相対的なヒートマップを表示しております。すなわち、その瞬間一番多くの端末が観測された場所を赤色とし、ヒートマップ表示を行っております。したがって常に一番盛り上がっているところが赤色で目立つようになっております。

各日の1日を振り返るヒートマップムービーも初公開します!!!初日の10:00にかなりのピークが観測されました。最終日は土曜日ということでかなり初日と2日目とは違ったヒートマップになっております。この振り返りヒートマップは相対ヒートマップではなく絶対ヒートマップとなっております。ヒートマップ上の赤が出現する度合いを固定にして連日のムービーを作成しました。


初日のヒートマップ

二日目のヒートマップ

最終日のヒートマップ

「ライブ・ヒートマップ」展示は過去何回か行ってきております。
前述したように最初はG空間EXPO2013、その次の週、慶應SFC ORF2013@六本木ミッドタウン、Interop 2014の会場で行われたLocation Business Japan 2014/LisraのWi-Fi実証実験では幕張メッセでも展示しました。

ORF2013 ではヒートマップに加えて、村井純先生が会場に現れた!ことが分かるように特別に許可を頂き、村井先生の居場所を顔アイコンでヒートマップ上に表示しておりました。

ライブ・ヒートマップ@SFC ORF2013

単なる盛り上げるためだけではなく、プラバシーについて考えていただくための企画が趣旨でした。CISCO MSEのWi-Fi測位は私が通称「インフラ型測位」と呼んでいるものです。端末にはアプリを必要とせず、Wi-Fiそのものの機構によりアクセスポイント(AP)などのネットワークインフラ機器で観測される端末から発信された信号を元に位置を推定する技術なので、このように呼んでおります。これに対して、PlaceEngine のWi-Fi位置推定は、「端末側測位」と呼んでおります。端末側測位では、周辺のAPをスキャンしそのビーコン信号を用いて測位します。したがって端末側に仕掛けが必要で、PlaceEngine は SDKをアプリに組み込みます(現在、Android版を提供しております) 。「インフラ型測位」ではアプリのインストールが必要ない分手間はかかりませんが、ユーザがあまり意識しないまま端末の位置が推定されることになります。Wi-Fiが on であればその電波はインフラによって検知され位置も推定されるわけです。したがって、このような環境を提供する場合、会場において来場される方々に十分告知する必要がございます。必要に応じて Wi-Fiを off にして頂くこと、opt out したい場合は窓口などを設けその情報を明記すること、Wi-Fiより取得できる MACアドレスは匿名化され管理されること、取得したデータは今後どのように利活用される説明すること、などを明記する前提とされており、総務省からは位置情報プライバシーレポートが公表されております。「ライブ・ヒートマップ」はこの集まった位置情報を個人一人一人ではなく集約した情報表現として効果的に情報を提供する分かりやすい利便性も高い表現と言えます。アプリを使って自分の位置を知りたければ、それもユーザ同意の上、提供することもできます。また村井先生の位置情報を公にすることは、イベントに参加している方々にとっては非常に有意義な情報ではありますが、常にそれが不特定多数に公開されてしまうと先生も困ってしまいます。どのような状況であれば、だれに自分の位置情報を配信してもいいのか?だれが管理しているのか?どのような情報配信の仕方・視覚化が良いのか?皆さんが安心して使える便利な位置情報ビジネスを実現するにはまだまだいろいろ考えることがございます。

次にシンポジウムについてです。

11/14金曜日の「Beacon活用の最新ビジネス事例とこれから。」 ~国内・海外の最先端事例に学ぶ~というジェナさん主催のシンポジウムで講演させて頂きました。ご一緒させて頂いた登壇者はアプリックスの今井さんとジェナの岡村さんです。何度もG空間EXPOで講演をしておりますが、いつもWi-Fiの話が中心でした。昨年 Koozyt のビーコンも発表し、いろいろ手を広げているので、今年は異なる切り口での講演となりました。

アプリックスの今井さんには LBJ2014で私が担当していたセッションにも登壇して頂きました。ビーコンの基本的なお話、ビーコン事例、アプリックスさんの多様なビーコンラインアップの紹介をされてました。

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ジェナの岡村さんはビーコンを使った実際のビジネスについてのノウハウ、そして最近公開されたビーコン管理フラットフォーム Beacappを紹介されました。実は、この Beacapp、設計に少々クウジットもお手伝いさせて頂きました。

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お二人にサンドイッチされたわたしは「海外事例に学ぶ最先端のBeacon活用とハイブリッド測位への発展」という題でお話をさせて頂きました。以下講演内容の要約です:

海外ビーコン事例は一般的な事例を紹介しましたが、昔から紙クーポン文化だったアメリカはビーコンによって大きく変わるのではないでしょうか?ショップキックが音波に加えてビーコンも導入しているのも興味深いところです。またSITAが世界中の空港のビーコン情報をまとめようとしているのも感心しました。

ビーコンに加えて、何度か講演で取り上げてますが、いろいろな測位技術を組み合わせユーザにとってシームレスで便利なハイブリッド測位が今後当たり前になってきますので、Lisra のハイブリッド測位、またクウジットも設計に参画させて頂いております西尾先生のG空間シティ構築事業で開発している誘導灯測位ボックスも紹介させて頂きました。ハイブリッド測位にはセンサーを使った Pedestrian Dead Reckoning (PDR) は必須となってきます。ビーコンとの組み合わせも相性が良いでしょう。ちょうど我々のセッションの後、1Fメインステージで行われていた「今、屋内測位と行動計測がオモシロイ!」で名古屋大学/Lisraの河口先生、産総研の蔵田さん、マルティスープの那須さんとで PDR で盛り上がってました。

2014-11-14 12.21.06

さて、今日はここらへんで。
次のネタを仕込むとするか。

see you next time.
regards,
shio