【CNET BLOG転載】仙台でのPlaceEngine屋内測位+AR(拡張現実感)テクニックについて

9/11〜10/12の1か月間、三井アウトレットパーク(MOP)仙台港にて、iPhoneを利用した「近未来ショッピング体験」と銘打ったイベントが開催されています。クウジットでは、このイベント向けにPlaceEngineを利用した位置連動型の情報配信アプリ「i-MOP仙台港」、そして、マーカー型AR(拡張現実感)技術を利用した「遊んでにゃ!」という2つのiPhoneアプリケーション開発提供しました。今回は、それぞれのアプリケーションで開発、利用しているコア技術について簡単に説明したいと思います。(初日には、報道関係者向けの体験会が開催されまして、その様子は、ITmediaさんの記事に詳しく掲載されていますのでご参考までに)

■ MOP仙台港での「近未来ショッピング体験」イベント概要について

  • 期間:2009/9/11-10/12
  • 場所: 三井アウトレットパーク仙台港
  • 利用方法:
    1. 現地にてイベント体験用のiPhone無料貸出し
    2. iPhoneユーザーの方は、App Storeで2つのアプリをダウンロード(無料)して現地にGo!
    「i-MOP仙台港」アプリのダウンロードはこちら
    「遊んでにゃ!」アプリのダウンロードはこちら
    (※「遊んでにゃ!」は、iPhoneOS3.1でのカメラAPIに対応しているため、iPhoneOS3.1以上でないと動作しません。)
  •  詳しくは、こちら

 
イベント体験カウンターの様子

■ 「i-MOP仙台港」アプリについて

「i-MOP仙台港」では、アウトレット内の目的の店舗情報を検索したり、フロア情報を含めた現在位置を瞬時にフロアマップ上に表示することが可能です。また、アウトレットに棲み着いているという設定のキャラクター、電脳ネコ「おふにゃん」が、ときどき登場し、ユーザーの位置や時間、操作履歴に応じて、おすすめ情報やお得情報(クーポンなど)を運んできて表示してくれます。

 「i-MOP仙台港」のアプリイメージ

i-MOP仙台港を使ってみる

「i-MOP仙台港」の現地デモ@フードコート

さて、MOP仙台港の建物内において、現在位置をきめ細かく、そして瞬時に取得、表示するコア技術としては、無線LAN電波で位置を推定するPlaceEngine技術および、無線LANアクセスポイントを測位のために意図的に配置、設計する「PlaceEngine屋内位置測位ソリューション」を用いています。これにより、フロアや現在位置が店舗レベルで把握でき、ユーザーが、どの店舗に滞留、回遊しているかによって、情報を出し分けることが可能になります。

フードコートで現在位置を取得したときの様子(このくらいの粒度で、店舗前の位置が取得できているのが分かります)

MOP仙台港は、店舗数が約120、総床面積が約34,000平方メートルほどある空間なのですが、各店舗の方々のご協力により、店舗内の設置可能な場所に市販の無線LANアクセスポイントを設置しています。すなわち、およそ店舗数と同じ約120個程度の無線LANアクセスポイントからの電波情報で館内外の現在位置やフロア情報をきめ細かく割り出しています。PlaceEngineにとっては、無線LAN電波は、ワイヤレス通信としてではなく、測位のためのセンサーとして利用するので、各アクセスポイントがインターネットに接続されている必要はありません。そのため、店舗側にとっては、市販の無線LANアクセスポイントを電源に接続するだけという非常に簡単な作業になります。

既存の建物が、タイムリーに情報を発信したり、受け取ることのできる最先端の空間に早変わり!市販の無線LANアクセスポイントと端末(今回は、iPhone)とを組み合わせるだけで、屋内での測位、空間認識が可能となり、販促や展示会のような有期の屋内施設イベントの場合でも、安価にスケーラブルに、位置情報サービス化、AR(拡張現実)空間化が可能となるわけです。(「セカイカメラ」の企業向けサービスにも「PlaceEngine屋内位置測位ソリューション」を提供しています

■ 「遊んでにゃ!」アプリについて

もう一方の「遊んでにゃ!」アプリは、電脳ネコ「おふにゃん」がMOP仙台港に関連するクイズやミッションを出題し、それらに答えるとクーポンがゲットできるという遊び要素の高いアプリケーションです。 クイズやミッションは、MOP仙台港内のどこかにちらばって「おふにゃんシルエット」という特定の画像パターン(マーカー)のポスターとして配置されています。「おふにゃんシルエット」を探し出し、カメラでかざすことで、「おふにゃん」が飛び出してきて、クイズが出題されるという仕組みになっています。実際にアウトレット内を歩き回ってもらい、MOP仙台港に関する豆知識を得て、よりよく知ってもらおうというコンセプトです。

遊んでにゃ!

「遊んでにゃ!」のアプリイメージ

このアプリケーションでは、KART(Koozyt AR Technology)と名づけたAR(拡張現実感)テクニックをiPhone上で開発、実現しました。KARTのマーカー認識ソリューションでは、暦本さん/綾塚さんらがソニーコンピュータサイエンス研究所で研究開発し、私もソニー時代に商品化に関わったCyberCode技術を利用しています。10年前にVAIO C1のようなパソコンで商品化したものが、現在は、iPhoneのような手軽なモバイル機器上で実現でき、簡単に楽しめる時代になったわけです。

CyberCodeは、2次元バーコードや特定の画像パターンをカメラ認識し、そこから空間座標軸(XYZ)を推定し、その上に、グラフィックを合成、描画できるという技術ですが、今回は、特に3DのCGオブジェクトは合成表示しておらず、カメラをかざず対象物となるマーカー(今回は、「おふにゃんシルエット」のポスター)から、あたかもキャラクターが飛び出してきたかのようなギミックにのみ利用しています。

 「おふにゃんシルエット」を探し、カメラでかざすと、問題が出題されます。

現地に行かないと、実際のクーポンはもらえませんが、KARTマーカー認識の技術デモでしたら、下記にサンプルのマーカーを画面上に貼り付けておきますので、App Storeから「遊んでにゃ!」をダウンロードしていただき、マーカーにカメラをかざして試してみてください!

 「おふにゃんシルエット」問題マーカーのサンプル

秋の行楽シーズン、iPhoneユーザーの方は、ぜひこれらのアプリをダウンロードして、三井アウトレットパーク仙台港までお出かけしてみてはいかがでしょうか!

また、「PlaceEngine屋内位置測位ソリューション」や「KART:Koozyt AR Technology」にご興味のある方は、東京ゲームショウ2009(9/24,25のビジネスディのみ展示、ビジネスソリューションコーナー: 5-N23 ブース)や ITpro EXPO 2009(10/28-30開催、主催者企画のネットワーク最前線ブース、および 小間番号:1052ブース)でも出展、説明予定ですので、ぜひお気軽にお声かけ下さい。
(※ 「東京ゲームショウ2009」のビジネスディの入場は、事前登録バッジやビジネス招待券をお持ちの方、および報道関係者のみとなりますので、あらかじめご了承ください。)

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