【CNET BLOG転載】地域情報活性化と位置情報サービスについて(1/3)

前回エントリーから時間がたってしまいましたが、そこで告知したさまざまなイベントを通して、位置情報サービスと地域情報活性化について考えるよい機会を得ましたので、ここでまとめて振り返って共有したいと思います。(予定では3回に分けて)

■ ハマスタをアンプできたか?

「ロケーション・アンプ for ハマスタ」(9/13-15開催)のコンセプトは、試合中の選手のプレーの様子や試合前の練習風景、応援合戦の様子、ビールガールやボールガールなど球場内で働く人々の様子など、肉眼では確認できないその場で起こっていること、起きたことを一切合切あわせて見たい。しかも翌日のスポーツ新聞に載るようなプロの写真で見たい!そんな企画を考えて提案したことから始まりました。

スタジアムにリアルに足を運んでくれるお客様に向けて、肉眼では観測できない情報を手のひらの端末画面で補足してあげることで、さらに臨場感を高めたり、五感を拡張できるのでは!と考えました。ただし、ここで忘れてはならないのが、リアルな試合観戦を楽しむことがあくまでメインですから、端末に没入してしまっては本末転倒です。

企画を具現化していく中で、いろいろな制約が生じ、そぎ落とされたり、妥協したりした機能はいろいろありましたが、大枠で、オリジナルコンセプトを実現するシステムとアプリケーションを開発することができたと思います。どんなアプリケーションだったかその一部をご覧下さい。

ロケーション・アンプ for ハマスタ

「ロケーション・アンプ for ハマスタ」デモビデオ

結果どうだったのか?(実際に試してくれた知人からのヒアリングなどを踏まえてのあくまで個人的な自己評価ですが)

○ 選手の表情をアップで見れるのは楽しいし、臨場感が伝わってくる!(テレビの野球中継を見慣れているので、それ以外のアングルや被写体は新鮮)
△ 一般ユーザーが気軽に試すには、まだまだ敷居が高い(ネットインフラの問題、アプリ体感速度など)

今回、PSPに搭載されている汎用Webブラウザを用いてFlashコンテンツでアプリケーションを開発したのですが、思いのほかフレームレートが出ず (12-3fpsくらいか)もっさりした動作のアプリケーションであったことは否めません。ここらへんは、ネィティブのアプリケーションにしていくなど今後改善の余地はあると思われます。

さて、今回のイベントは、場所オーナーである横浜スタジアムさん、コンテンツホルダーであるベイスターズさん、無線LANインフラ提供であるアッカさん、企画・アプリケーション開発提供のクウジットという座組みで役割分担された、リアルイベントで経験とノウハウを蓄積するためのトライアルでもありました。私にとっては、スタジアムという非日常のリアル空間をどうネットとつなげて活性化させるかというお題でもあったのですが、「本当にそんなことができるのか?」と不安と期待が入り混じっていた関係者一同も、イベント期間中も日々運用が改善されていく様子を見て、最後は、「なにはともあれイベント実施できたことが奇跡!来年は、こうしたい、ああしたい…」などなどポジティブな意見が出て、無事に終了し、ひとまずホッとしています。


■ 「おおがきビエンナーレ2008」での体験(2/3につづく)

■ 「ROBO_JAPAN 2008」をアンプできたか?(3/3につづく)

今後ますますリアル側の生活を豊かにするため、ネット側の情報やサービスがリデザインされていくと考えています。人々のリアルな生活のほとんどは、ローカリティのある地域密着であると思うのですが、そんなリアルな生活空間や非日常空間(まとめて存在空間ともいうべきか)をどう豊かにしていけるのか。そこに如何にユニークな付加価値を載せられるかがチャレンジしがいのある、そしてチャレンジしてみたい領域であると最近考えています。

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