末吉です。
7月3日本日、クウジットは、設立14周年を迎えました(4月期なのですでに15期目に入ってます)。
クウジットと愉快な仲間たち、前夜祭zoom飲みのカオスな様子
この5年来、クウジット第2章として位置づけ変革に取り組み、独自のセンシング技術とAI・データ解析技術で、因果をひもとき未来に介入する事業に取り組んできました。
具体的な事業領域としては、因果情報分析技術「CALC」を核にしたAIデータ解析事業が伸長し、また、設立時より継続している位置空間情報事業は、人の流れである人流計測を行うIoTセンサー類を街づくりやスポーツ領域に応用したりと新たな展開に入ってきています。PoCや研究開発支援を行うフェーズのプロジェクトもあれば、事業領域に応じた「協業」形態を通じての社会実装フェーズのプロジェクトもあり、それらが混在しています。
クウジットとそこに集う仲間たちとは、上記のような事業と並行して、それぞれのユニークな視点とスキルを持ち寄り、「それ、おもしろい!」を起点にした活動を通じて、人も会社もウェルビーイングな状態でありつつ、さらに幸せな気持ちを伝搬させていく、健康経営・幸福経営に取り組んでいます。
それぞれがそれぞれの生き方、働き方を問いつづけ、それぞれの「おもしろい!(好奇心)」を起点に、さまざまな新規事業が生まれていくことを期待しています。
ご支援いただいている、そしてつながりのある方々、そしてこれからご一緒していくであろう方々に、日々是感謝です。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
2021年7月3日
クウジット代表取締役
末吉隆彦
PS.
末吉の「笑顔・幸せ」領域における、この10年来の活動報告です(^^)。
先日、古巣のソニーCSLにてゲスト講演に呼んでいただき、私自身が取り組んでいる「笑顔・幸せ」領域についてのPoC活動から社会実装へとつながる活動をふりかえる機会がありましたので、ここに抜粋します。ご笑覧ください。
2011年、暦本さん・辻田さんらの「ハピネスカウンター」(ソニーCSL/東大)という笑顔インタラクション研究を知り、その「幸せだから笑うのではない。笑うから幸せなのだ」というコンセプトをもとに、グループ親会社でもあるISIDとの共同実装実験プロジェクトにて、「エミタメ」(笑顔認識するミラーサイネージ、笑顔量をエミーと呼称し、エミー数に応じて募金などのソーシャルグッドに変換した)を企画・開発しました。ソニーCSL本條さんがプロジェクト参画し、エミーの元祖名づけ親でもあります。これは、その後、「スマイル募金」として商用展開もされました。
2015年、暦本さんから東大i.school堀井先生らを紹介いただき、「ハピネスカウンターforワークショップ」というプロジェクトを通じて笑顔計測ソリューションを開発しました。i.schoolにおいては、創造性とポジティブな表情心理との相関を研究する装置として利用されました。「ハピネスカウンターfor ワークショップ」を九州イノベーション教育学会でポスター展示していたところへ、慶應SDMの前野先生が見学に来てくれました。堀井先生から「あれが、幸せで有名な前野先生だよ」と紹介され、「ん?幸せで有名なとは?」と「?」がいっぱいついたまま東京に戻ってすぐに、前野先生の「幸せのメカニズム」等の著書を拝読し共感。SNSを通じて前野先生に、「幸せxIoTの共同研究させてください!」とすぐに行動を起こしました。結果的に、これがきっかけとなり、慶應SDM研究員としても活動を開始し、地域通貨や地域イノベーションなどの研究をされていた保井先生と知り合うここととなり、「人を幸せにするおカネ(エミー&ゼニー)」研究へと発展していきました。ここで、「エミー」を感謝最大化の貨幣観、「ゼニー」を利益最大化の貨幣観と再定義しました。
2016年は、エミー元年。エミー&ゼニー研究では、主観的な貨幣観とウェルビーイング(幸福度)の関係を計測するべく、ゲーム型ワークショップを開発し、データを集めるためにも全国で開催したのですが、このワークショップを通じて、さまざまなユニークな方々との出会いにつながりました。URUU 江上広行さんとは、エミー&ゼニーWSを共同ファシリテーターとして一緒に全国行脚したり、健康経営の産みの親である平野治さんとは、その後ライフワークとなる「社会装置」事業に共同で取り組むことになりました。
2016年には、虎ノ門の街づくり活動で知り合った小野寺学さん、そして古くからクウジットの企画支援をしてもらっていたビオトープ畑谷芳樹さんと3人で、グー・チョキ・パートナーズ社を共同設立し、私はハピネス顧問となりました。街づくり活動は、企業活動と違って、これまたさらに多様な人たちの集まりですから、そのなかでどう自分の役割をみつけ、居場所、居心地感をつくれるか、遅れてきた大人の部活動のようなものでした。多様でゆるやかなつながりを持っている人は幸せ。コミュニティにいくつも所属している人は幸せ。なるほど、これまでテクノロジー界隈のつながりが主で生きてきた私にとっては、とても新鮮でした。
2018年には、UR都市機構が虎ノ門にある街の賑わい施設に関する企画運営に関しての公募に対して、新虎小屋という人と人とのつながり、コミュニティベースのコトづくりの賑わいを街に生み出すというコミュニティスペースのコンセプト企画を応募し採択いただき、クウジットとしては、その場をテクノロジーショーケースと位置付け、笑顔計測ソリューションや人流計測の実証実験を3年間実施しました。今後も、新虎小屋を飛び出して横展開、面展開されていくことを期待しています。
そして、同年。平野さんとは、笑顔づくりと社会課題解決の両立を目指す「社会装置」事業を展開するマイネム社を共同設立、クウジットのみならず各社の強みを持ち寄り社会実装フェーズへと持っていこうと考えています。また、「社会装置」事業を通じて生まれたお金を、感謝・恩送りのお金「エミー」として循環させる。そんな手法で、「エミー&ゼニー」研究の知見・成果を一つの社会実装の形としてチャレンジしてみようと考えています。
2019年、社会装置第一弾は、笑顔づくりと感染症予防をテーマにした「emmyWash(エミーウォッシュ)」プロジェクトをスタートさせました。はからずして、コロナ禍となりましたが、2020年9月には、emmyWashは商用サービスを開始できました。
2021年、これまで活動を共にしてきた、保井先生、本條さん、江上さんらに設立時理事となっていただき、社会装置づくりとエミーの循環コンセプトの啓発活動を行う、一般社団法人エミーバンク協会を設立しました(任意団体としての活動自体は、2020から)。
今後、社会課題というグローバルアジェンダのテーマ抜きには企業活動は語れません。そして、人々の暮らしや働き方にも、公共(3人以上が集まる小集団コミュニティでの公共も含む)の考えが必要になってきます。すなわち、人も企業も、利己(仏教用語では自利)と利他。自社利益と社会価値をともに創造し、利己と利他をバランスさせる、そんな社会の仕組みが必要になってきます。社会装置は、そんな人と社会の接点、利他と利己をつなぐ装置(デバイス、場、仕組み)を目指しています。